無農薬無肥料で野菜を育てる自然菜園では、基本的に草は抜かず、草の根元10cmぐらいを残し鎌で刈って土の上に倒します。倒した草がマルチの代わりとなり土に返って肥やしとなります。耕したり、畝を上げ直すこともできるだけせず、草の根が土をほぐし、朽ちることで酸素を土の深くまで送り込みます。いろいろな微生物、いわゆる善玉菌も病気の元となる悪玉菌もが共存しバランスを保つことにより、土の力が蓄えられるのです。
そんな野っ原のような畑では、野菜も野生の生命力を取り戻します。野菜は土の奥深くまで根を張り、ゆっくりと成長します。そして、仮に病気になってもそれを治そうとする力を発揮します。また、虫たちもやってきます。害虫も来るけど、食べつくしたりできません。野菜も抵抗するし、害虫を食べる益虫もやってきます。かえるも蛇も雉もうさぎもたぬきも、そしてきつねもやってきます。食物連鎖の輪の中に野菜が育つのです。
ただし、ほったらかしでOK!というわけではありません。最低限、草の勢いに負けぬよう草を刈って野菜の成長を助けなくてはいけないのですが、どの程度どうするのかが、なかなかうまくいかない所以でもあります。
でも、そうやって自然の摂理の中、在りのままの姿で育った野菜は、野菜本来の味わいがいたします。そんな野菜を育てたいと思っています。 ふるかわ きみこ
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