その後、私の姪っ子たちが次々生まれました。すみれは相変わらず子供たちが訪れると、ぷいっと家を出て夕方まで帰りませんでした。まあ、どこかの陽だまりやら木陰の涼しいところやらでゆっくり昼寝でもしていたのでしょう。
ところが、だんだんとすみれも年をとっていきました。近所の野良に家の中の餌を取られてみたり、門を歩いてもフゥ~ッと威嚇されたりと、家の中でぐうたらしていることが多くなりました。
そして、母から電話が入りました。
「最近、私が外出から帰ると玄関に飛んできて小さい声で「びゃぁ!びゃぁ!」と甘えるのよ。今までそんな事したことなかったのに、最近すみれ変わったのよ。」
- えっ?! すみれがお帰りのお出迎えをするの?? -
さらに変化がありました。子供たちが訪れても外出しなくなったのです。それどころか子供たちがなでようとすると、初めのうちはイヤイヤだったのですが、そのうちにはゴロゴロと喉を鳴らすようになっていきました。
「すみれちゃんはおばあちゃんだから優しくなでてね。」
「うん。やちゃちく、やちゃちく....」
すみれもいつまででも娘たちになでてもらっていました。