ようやくたどり着いた実家では、取りあえず、納戸で猫たちをゲージから出し、水を飲ませ、いつものトイレに砂を用意してしばらく遊んでいると、すこぉし慣れて落ち着いて着ました。やれやれです。
ききょうはなでてくれる母にも愛想を振りまき「みやぁ、みやぁ」と鳴きながら身体をくねらせてゴロゴロのどを鳴らしています。すみれも、頭をなでさせた後顔を洗い終わると、母が用意してくれたお座布団に丸くなってお昼寝を始めました。
「お疲れ様、居間でお茶でも飲んで少し休んだら..」
母がお茶を入れてくれました。
- うん、ありがと。今、行く! -
- またすぐに様子を見に来るからね。いい子でお昼寝なさい...-
余程疲れたのでしょう。すみれは勿論、ききょうも返事もしないでお座布団に折り重なるように引っ付いて丸くなったままです。納戸の引き戸を閉めて、私は居間のおこたに座り込みました。
「落ち着いたみたいで良かったじゃないの。それにしても、冬毛が薄いんじゃない?!こっちは夜は冷え込むよ。」「ききょとすみれ、兄弟の割りに性格違うわね。」「すみれ鳴かないけど...」
- うんうん...、すみれはいつもあんな感じ、鳴くのが苦手みたい。鳴いても小さくしゃがれ声で「びゃぁ。」って感じかな。それにさっきまであんなに大声で鳴いてたから余程疲れたと思うよ。しばらくそっとしておこう ...
「それからね、やっぱり寝室で一緒に寝るのはやめてほしいの... 湯たんぽ2つ用意しといたから、熱いお湯を入れてやるといいわ。」
- はい、分かった...
仕方ありません。前もって家の中では自由にさせない約束でしたから...
- 名古屋と違ってこっちは寒いから、後で湯たんぽ入れてくれるって... -
様子を見に行って声をかけましたが、2匹はまだスヤスヤ眠ったままでした。