ただいま、ししとうをたくさん収穫しています。
ししとうは、昨年のこぼれ種が、7月の頃、ボッ!と発芽しました。耕しもせず肥もやらず、昨年と同じ畝で数本を残して間引きしました。やはり成長は遅く、それでも8月に入ってから少しずつ収穫してお店にもお出ししていました。それが9月になってから、毎日、採っても採ってもたくさん採りきれないほど採れるのです。
無肥料の野菜は、一般の野菜に比べると色が薄いのです。
「この色が、真の野菜の色だよ。自然な色なんだ。
一般には、色が濃いほうが栄養価が高くて味が濃く美味しいと思われているけど、
本当は逆なんだ。
成長を早く促すために肥料を入れてぼう(追う)。
収穫率を上げるために野菜に無理をさせるんだ。
肥料を入れないと、成長は極めて遅い。
でも、野菜そのもの「生きよう!」とする力を精一杯引き出して大きくなる。
虫に食べられながらでも生きる力をつけて成長するんだよ。
だから、それになる実も生きる力をいっぱい溜め込んでいて、
栄養価も高いし、旨みもある。
それが、本当の、真の野菜の姿だよ。」
今、産業としての農業は大きな転換期を迎えています。
今までも、農業は受難の産業だったのではないかと私は考えています。
戦後の農地改革・食糧難を打開するため開拓-当園も開墾地と伺っております。重機のない時代に原野を開墾されたご苦労は想像を絶します-そして、次には減反政策、今日はTTP問題と..
重労働の上に、外交や政策の方針変更に振り回されてきた結果、今日の従農者の高齢化・耕作放棄地などの問題があるのではないでしょうか。勿論、過去の政策等や従来の農業のあり方の是非を問うつもりはありません。現在のあり方は多くの方々が良かれとの判断の上に築き上げていらした道なのですから。
米作り野菜作りは、本当に重労働で、いかに効率、生産性を上げるかは重要な課題でもあるのです。さらに近年の異常気象にも左右され不安定な収入で、リスクも高いとなればなおさらです。
それらの事柄は、とても難しい問題でどの道が正解なのかは私には判断できかねますが、食に携わる者としての立場で、まずは野菜の1種類からだけでも、できる限り安全で美味しい野菜を少しずつでも作っていきたいと、そんな野菜を皆様に召し上がっていただきたいと考えております。
ふるかわ きみこ
当園の現状は、草っ原。
食材のほとんどを
近隣の農家様から仕入れに頼っております。
しかしながら、志を少しづつでも実現できるよう
これからも努めてまいります。
こぼれ種から成長したししとうたち
昨年と同じ畝、不耕作・無肥料・無農薬